ピアノ教育セミナー in Jena

9月27-28日、去年に続き、今年もVdM(ドイツ音楽学校協会)のKlavier- Kammermusiktageに参加してきました!

開催場所はこちら!
Jena
ドイツ、テューリンゲン州のイエナという街です。

ドイツの至るところから約40名ほどのピアノの先生たちが集まり、二日間に
渡る熱いセミナーが今年も開かれました。

一日目のテーマは、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)の生誕300年にちなんで、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの生涯とその時代。

まずは去年も講師として招聘されていたロシアのクローナー先生によるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハについての講義から。ヨハン・セバスチャン・バッハの次男である彼の生涯、そして彼の、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンとその後に続く古典派の作曲家たちに与えた影響についてのお話がありました。

続いて、ベルリン芸大のグロースマン先生による、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ著「正しいクラヴィーア奏法への試論(Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen)」(ここでいうクラヴィーアとは、オルガンやチェンバロ、クラヴィコードなど広域の鍵盤楽器を指します)と、彼の作品について。
彼は生涯に渡って、チェンバロよりもクラヴィコードやフォルテピアノを好んでいたらしい。彼のソナタ集を見てみると、沢山の強弱記号やオーケストラを思い起こさせる作曲技法など、その特徴が見てとれます。

今年の公開レッスンは「バロック時代」に焦点を当て、ワイマールのリスト音大の古楽器科でチェンバロを教授しているクラップロット先生によるレッスン!
Klapprottまずは曲をピアノで弾き、
Klapprott2チェンバロを使ってレッスン!
今回レッスンを受けていた生徒さんたちはチェンバロに触るのが初めての子が多く、チェンバロを前に、どきどきわくわくしている様子。

フランスとイタリア製チェンバロの特徴がそれぞれの国の言葉の特徴と似ているというお話や、旋律を歌うためにしっくりくる歌詞をつけて拍感を示しすレッスンから、先生の「音楽と言葉」というテーマが伝わってきました。

本当に、音楽というのは生まれた土地の言葉とは切り離せないな、と感じます。

その後、参加者全員によるディスカッション。
テーマは、チェンバロをどうレッスンに取り入れていくか。気をつけなければならないことは何か。
この時点で開始後8時間以上経っていますが、疲れを感じさせるどころか、ものすごいエネルギーと熱のある議論が交わされました。

これは、実は半年前から大学の副科でチェンバロを習い始めた私にとって、本当に面白くためになるテーマでした!

一日の終わりに、バロックダンスセミナー。
Jena Tanz
(これ、実は一番楽しみにしていました。笑)

子どもの頃、バッハのメヌエットやブレーなどバロック舞曲をピアノで弾く際に地元のピアノの先生小野里先生がよくバロックダンスのステップを例に、わかりやすく示してくれたのを今でも覚えています。
今回はブレーとメヌエットのステップ、当時の社交ダンスが主な内容でした。
実際ピアノでバロック時代の組曲を学ぶにあたって、この知識と感覚は大事。ずっと気になっていたバロックダンスを体験できたのはとても嬉しかったし、最近また少し沸いてきているダンス熱もあってか、このバロックダンスセミナー、とても楽しかったです。:)

二日目は、
Inpro
即興セミナー!!
「即興」はずーっと興味がありながらもなかなか本格的に学ぶ機会がなかったので、これをテーマに一日集中セミナーを受講できたのは良い機会でした。
あとは、これをどうレッスンに取り入れていくか。
自分なりにいろいろと試行錯誤していこうと思います!

二日間に渡るピアノ教育セミナーは、そんなこんなであっという間におしまい。
こういった一つ一つの貴重な体験が、日々のピアノレッスンを形作っていきます。
こうしてピアノ教育者たちと共に考え、共有し、学び続けることを、生涯続けていけたらいいなと感じた二日間でした。

Klaviertage Jena

よーし。明日のレッスンの準備しないと。笑

それではみなさん、Ich wünsche euch eine schöne Woche! 良い週のはじまりを! 🙂